現在、私は発達障害のある子どもが通う支援施設で働いています。
その中で、近年とくに重要だと感じているのが「ABA(応用行動分析)」という支援の考え方です。
ABAは、ざっくり言うと「心」ではなく「行動」に着目して子どもを理解していく枠組みと言えます。
「落ち着いてきました」「成長しました」だけでは、人によってイメージがバラバラになってしまいますよね。
そこで、たとえば「国語の授業で毎回3回以上、先生の質問に手を挙げられた」「片づけの声かけから3分以内にランドセルをしまえた」といったように、具体的な行動として記録していくのです。
行動に注目することで、家族・学校・支援者など、関わる人どうしが同じ情報を共有しやすくなります。
「最近いい感じです」ではなく、「こういう場面で、これができるようになった」と伝えられると、支援の話し合いもぐっと具体的になりますよね。
ABAでは、行動そのものだけでなく「きっかけ(前)」と「結果(後)」もセットで考えます。
ある行動のあとに、その子にとって“いいこと”が起きると、その行動はくり返されやすいと言われています。
逆に、頑張って行動しても嫌な結果ばかり返ってくるなら、その行動はだんだん減っていくはずです。
だからこそ、「この子にとっての“いいこと”は何か」「どんな結果があると、またやってみようと思えるのか」を見極めながら関わる必要がありますね。
ただ一口に“いいこと”と言っても、ごほうびのおやつが嬉しい子もいれば、「ほめられること」「一人の時間がもらえること」の方が力になる子もいます。
そこを丁寧に観察しながら、その子の強みや得意な行動が続きやすい環境を一緒につくっていくのが、今の私の仕事だと感じています。
正直なところ、ABAを現場に取り入れ始めたばかりのころは、私自身も試行錯誤でした。
それでも、行動を具体的に言葉にし、関わる大人みんなで共有していくことで、「この子はこういうときに力を発揮できるんだ」と見えてくる場面が増えてきた実感があります。
あなたの身近な子どもに対しても、「最近どんな行動が増えてきたかな?」と、少し行動ベースで振り返ってみたくなりませんか。
三郷市の療育