私には、穏やかでのんびり屋だけど、思いやりにあふれた娘がいます。
そんな娘が幼稚園に入園して間もない頃、今でも忘れられない言葉をかけてくれた出来事があります。
その日は、娘と一緒に近所のスーパーへ買い物に行っていました。いつも通り買い物を済ませ、重たい荷物を抱えて家まで歩いていた時のこと。
ふと横を見ると、娘が心配そうな表情で私の方を見上げ、「ママ、私が荷物を持ってあげようか?」と声をかけてくれたのです。
その瞬間、胸が熱くなりました。
ついこの間まで赤ちゃんのように思っていた娘が、こんな言葉をかけてくれるなんて。
「荷物はとても重いからママが持つよ。でも、ありがとうね。」と私は返しました。
すると娘は少しだけ肩をすくめながら、こう言いました。
「今はまだ私、小さくて無理だけど、大きくなったらママの荷物を持ってあげるからね。」
その言葉に思わず涙がこぼれそうになり、自然と笑顔がこぼれました。
慣れない土地で、家事と育児に追われる毎日。そんな中で娘のその一言が、私の心をやさしく包んでくれたのです。
あれから数年が経ち、娘は小学生になりました。
今では本当に、あの時の言葉通りに進んで手伝いをしてくれる優しい女の子に成長しています。
私は彼女の母であることを、心から誇りに思っています。